十三機兵防衛圏クリアした感想(なるべくネタバレしない方向で)

PS4
十三機兵防衛圏_20191203001737

11月28日にヴァニラウェアが開発したゲーム十三機兵防衛圏が発売され、それを実際にプレイしてクリアしたことの感想などを記事にしていきたいと思います。

このゲームについての概要はちょっとここでは少々省きつつ、このゲームの肝ともいえるシナリオ部分についてはなるべくネタバレしないようにしたいと思っています。

結論を最初に言ってしまうと、今年発売されたゲームの中で5本指に入るくらいの面白さであり、ゲームシナリオに関して言えば個人的に今年のTOPだったと言えるくらいの出来の良さでした。

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このゲームの概要について

このゲームについては機兵という名で呼ばれる巨大ロボットで人類の存亡をかけた最後の戦いに挑む13人の少年少女を主人公としたアドベンチャーゲームです

主に1985年を中心に過去、現在、未来などを様々な時代を舞台として、そこで起こった世界の終焉のことやそこに至るまでの経緯、事件の真相についてを追想編(アドベンチャー)崩壊編(シミュレーションバトル)究明編(データアーカイブ)からなる3つのパートをそれぞれ進めて読み解いていくというのが本作のゲームの流れとなります。(詳しくは公式サイトを見てね)

実際には究明編はゲーム内の用語やイベントシーンなどを見返すものなので、ゲーム進行の中心になるのは追想編と崩壊編の2つになっていました。

ただこのゲームに関しては実際に遊んでみた印象として崩壊編の戦闘バトルよりも追想編のアドベンチャー部分にかなり力が入っているようで、戦闘部分についてはおまけに近い扱いになっているようでした。

ただし、崩壊編がおまけに近いといってもきちんと作り込まれていてそれなりに面白く、追想編については文句なしに面白かったというのが大まかな感想です。今回の記事についてはこの2つのゲームパートについての事を主に触れていきたいと思います。

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追想編についての感想など

このゲームの追想編について触れていきたいと思います。良かったところをピックアップして紹介できたらと思います。

ある意味で最大の特徴?幻想的な雰囲気を纏う2Dグラフィックス

まずこのゲームで最初に目を引かれると思われるのがこのゲームの2Dグラフィックスだと思われるのですが、「ドラゴンズクラウン」「オーディンスフィア」などでおなじみのヴァニラウェアが描く幻想的な2D絵に関しては今作も健在で、綺麗なだけでなくかなり細かく動きます。

キャラクターのアニメーションがかなり作り込まれているようで、登場人物全員に歩くとか走るだの基本的な動作がそれぞれ異なっていて、台詞に合わせて視線を逸らすとか表情が変わったりなどかなりの拘りを感じられます。

またゲーム画面の背景に関しても幻想的で綺麗なことはもちろんなのですが、教室に窓から差し込む夕日だとかその光越しに見えるチラチラ見える埃だとかとても芸が細かいです。また細部の小物とかもきちんと書き込まれており背景だけでも思わず止まってついつい観察してみることもありました。

80年代のアイドルが背景のテレビの中に映し出されている

使われているBGMなんかもちゃんと時代設定とか場面ごとにしっかりと合わせて用意され、キャラクターを演じている声優さんについてもしっかりと実力派揃いの方々で固めているのでとても安心して台詞を聞いていられます。

ゲーム中の雰囲気づくりの上手さも相まってとても上質な紙芝居を見ているような感覚でゲームを進めていくことが出来ました。

最初から最後まで破綻なくまとめ上げられた13人が主人公の群像劇

このゲームのメインとなる部分の追想編では13人の主人公の視点からこの物語の真相を解明していくことになりますが、このゲームの一番面白いと思った部分はここで、個性豊かな13人分の物語がそれぞれしっかりと用意されて他の物語と複雑に絡み合いつつも最後まで破綻することなく完結していました。

13人の少年少女全て操作が可能!

最初13人の主人公は多すぎて、なんか似たり寄ったりな話の展開になったり途中物語が破綻してきそうな不安がありましたが、実際に遊んでみるとその心配は杞憂でした。

このゲームの物語についてはネタバレが致命的なので深いことは語れませんが、タイムスリップとか予知夢、記憶などのキーワードが大きく絡むお話といえばいいのでしょうか?

13人のそれぞれのエピソードが時系列や舞台となる時代がバラバラで最初は全然毛色の種類が違う話を見せられて戸惑ってしまいましたが、各キャラのストーリーを進めていくうちにそれらの一つ一つのシーンが実は他のエピソードと繋がっていたというようなことが起こっていきます。

一見何も関係のないキャラクターのエピソードが他のキャラクターでは謎解く大きなカギとなっていたり、話を進めるほどに謎が解けそしてまた新たな謎が生まれるというような感じの事が続いていくので最初から最後まで中だるみすることなく物語の吸引力がとても凄かったです。

この面白さに近いゲームを挙げるとすれば、ゲームシステムは似ていませんが「街〜運命の交差点〜」とか「428」あたりがこのゲームの面白さに近いのかもしれません。

ただこのゲームに関しては13人分のエピソードがそれぞれ緻密に結びついていて、謎についてもそれぞれバランスよく散りばめられていているので、特定のキャラクターがつまらないとか逆に面白過ぎるということもなく、とても構成力が優れているお話でもありました。

また時系列の矛盾とかも全然無さそうで、クリアまで終えて究明編で見返すとちゃんと物語の最初から最後まで時系列順に見ることも出来ていました。

それらを見返してみても終わってみれば無駄なエピソードが1つもなく全ての事に何らかの意味があるイベントだったということもわかりただただこの物語の凄さに圧倒されてしまいました。

最初は不安だった追想編については終わってみればベタ褒めすることしか出来ないというような内容でした。

クラウドシンクとかゲームシステムのこと

この追想編を進めていくうえで特徴的なゲームシステムがこのクラウドシンクというもので、これはリング状の選択メニューに見聞きしたものがキーワードとして記憶されていくもので、ここからさらに思考することで異なるキーワードへと変化したり、会話に使用することで通常とは違う会話が発生したりします。

このようにして、キーワードを会話や行動などに使用することで新たな話の展開が生まれ,物語が進展させていくことになりますが、このゲームシステムが物語の没入感を高める一因になったのかなとも思います。

ただ話を読み進めて振られた選択肢を選んでいくだけのアドベンチャーゲームであれば、ただ物語を見るだけの追想編パートになってしまいます。

しかし、ここでクラウドシンクというものが挟まれることによってゲーム中のキャラクターだけでなくプレイヤー自身もキャラクターの考えとか行動、事件の謎などを無意識の内に一緒に考えることによって自然とゲーム中の話に馴染んでいけてるのかなとも思います。

このゲームに関しては特定のキャラクターだけを進めていくとキャラクターのシナリオにロックが掛かり条件を満たさないとそのキャラのお話が再開できない仕様になっています。

このシナリオロックについても上手いこと制限が掛けられているようで、ちゃんと満遍なく全キャラクターを操作していかないと話の真相にはたどり着けないようになっていて、終わってみればこの制限も納得がいきました。

またこのゲームについてはヒント機能だとかフロチャートというようなアドベンチャーゲームによく使われているゲームシステムもちゃんと充実しており、フラグの建て方が分からなくて途中行き詰まるなんてこともなくとてもゲーム内の進行がスムーズでした。

ヒント機能も搭載しているフロチャート
バックログで台詞を読み返すことも可能!音声再生もできる

早送り再生なども使いやすく、ただ読み物として面白いだけでなく細かい所まで配慮されていてとても遊びやすかったです。

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崩壊編(バトルパート)について

十三機兵防衛圏についての崩壊編についても触れていきたいと思います。 こちらのシミュレーションバトルの方については追想編とはまた独立していて、こちらはこちらで個別に進めていく流れとなっていました。

こちらにも追想編と同様にバトルパートだけを最後まで進められないように、途中から追想編の進行度によってロックが掛かることもありますが、崩壊編自体はそこまでミッションの1つ1つに時間がかかるわけでもないので特に気になるようなものでもなかったです。

ゲームの内容については自分たちの拠点を迫りくる大勢の敵からリアルタイムで各ユニットへ指示を出して防衛するタワーディフェンスのようなものでしょうか。

使用できるユニットも追想編と同じく13機でちゃんとそれぞれに長所短所があり、様々な局面に対応できるようにそれらをうまく編成して、迫りくる敵を全滅させたり、一定時間まで拠点を防衛するのが目的です。

追想編の作り込まれた2Dグラフィックとは違ってこちらはかなり簡素な3Dグラフィックでしたが、実際に遊んでみると気になるものではなく後半になると処理落ちしてしまうほどの敵が出現するので、このようなゲーム仕様についてはちょっと納得してしまいました。

肝心のバトル部分についてはちょっと難点はあるものの、迫りくる大量の敵をミサイルやら主砲で一網打尽に出来たときは中々爽快感があり、処理しきれなさそうな敵陣に対してデコイを出して足止めするなどシミュレーションゲームならではのしてやったり感も十分堪能することが出来ました。

大量の敵に向けて大型ミサイル撃ってみたらトロフィーが取れてしまった絵

一番最初のプロローグあたりではこちらのパートは手抜きなのかとも思ってしまいましたが、こちらは追想編とは別になかなか面白かったです。

基本的にはバトルに出撃したパイロットに経験値が入ってレベルが上がっていったり、ゲーム内で得たメタチップというポイントから機兵や防衛拠点を強化していくことが出来たりする育成要素的な物なども十分にありました。

個人的にこのような内容のRTSみたいなものは苦手だったりしますが、このゲームに関してはリアルタイムストラテジーといってもユニットの行動選択中では時間が完全に止まるので、操作で手間取り混乱するというようなこともなくかなり取っ付きやすい内容でした。

難易度もEASY、NORMAL、HARDと三段階いつでも変更可能なので、初心者から上級者まで楽しめるものとなっています。

私の場合最初から最後まで難易度NORMALでやってみましたが、特に行き詰まるようなポイントもなくほどほどに苦戦しつつも最後までクリアすることが出来ました。

とても面白いゲームだったが一つ難点が?

私個人としてはこの十三機兵防衛圏を遊んでとても楽しめたのですがある意味で一番の難点とも言えるのがこのゲームソフトのお値段だったりします。

このゲームについては通常版が8,980円(税抜) 、限定版が14,980円(税抜) とかなり高価になっていました。ちなみに私の場合PS4のDL版で9878円(税込み)と1万円近い金額を払って遊んでいました。

ゲーム内容に関しては個人的に大満足なのですが、最近のの大型タイトルと比べるとそこまでボリュームのあるゲームとは言えないので、人に勧めるとなるとちょっと躊躇してしまうような値段です。

ただゲームのシナリオ部分に関しては間違いなく面白いと思えたので、これからこのゲームを遊んでみるかどうか迷っている人は現在でもゲームの序盤3時間程度を遊べて本編へセーブデータの引継ぎが可能な、十三機兵防衛圏の「序盤丸ごと体験版」を遊んでから購入するかどうかの判断をおすすめしたいです。

この体験版を遊んで少しでも面白いと感じたならば、このゲームを最後まで遊んでもきっと後悔はしないはずです。

あと早期購入者限定のみが対象のようですが、今年の2019年の冬(12月?)頃に1997年に発売されたプリンセスクラウンの復刻版が後日無料でDL出来るとのことなのでそちらも少々楽しみだったりします。

全く難点とかが無いわけではないですが、個人的に今年出たゲームソフトの中で5本指に入るくらいの面白さがあった十三機兵防衛圏でとても良いゲーム体験をすることが出来ました。

おまけ ネタバレに注意?このゲームのクリア時間について

最後にこのゲームをクリアした際のプレイ時間を見てみたら大体28時間程度となっていました。

大体ゲーム部分については追想編と崩壊編が3対2くらいの割合で追想編の方がやや長いという印象でした。

やり込み要素なども崩壊編の追加ステージとかだったりでそれほどあるわけではなさそうなのでこのゲームに関してはボリュームが豊富という訳ではなさそうでした。

トロフィーについても特に難しいものはなくかなり簡単にコンプリートできてしまいます。

ただプレイ時間が短めとは言っても何度もいうようにシナリオ部分の出来の良さは間違いなく、今年のTOPとも言えるようなものであり、とても濃密な時間を過ごせたということに偽りはないので、興味があるのでしたら前回のデスストランディングとは別の意味で是非色々な方に手に取って遊んでもらいたいゲームでした。

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